『茶の湯』展 内覧会レポート!東京国立博物館の特別展

茶の湯展

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東京上野の東京国立博物館で特別展「茶の湯」が2017年4月11日より開催されています。筆者は一般公開の前日、一足先に内覧会へ参加いたしました。今回はその模様をレポートします。

「茶の湯」展 開会式・内覧会の様子

開会を告げるテープカット(中央:東京国立博物館館長 銭谷氏)

開会を告げるテープカット(中央:東京国立博物館館長 銭谷氏)

開会式には東京国立博物館館長、銭谷氏をはじめ、協賛の代表や茶道の家元の方々など多くの関係者が出席されていました。
式典で銭谷館長は「茶の湯展を通じて日本文化のすばらしさを世界に発信する基点となり、日本の粋を伝えていきたい」と日本の博物館として世界への意識を表明されていました。
実際、展覧会の会場ではキャプションなどの多言語化(日本語・英語・中国語・韓国語)や特別開館の延長日を設けるなど多くの人が日本文化に触れやすい環境となっています。ちなみに「茶の湯」展の図録には英語の解説が付随されています。

「茶の湯」展のみどころ

茶の湯に関する展覧会としては1980年に東京国立博物館で開催された「茶の美術」展以来、37年ぶりの大規模なもので今年注目されている展覧会の一つです。そんな「茶の湯」展のみどころについてご紹介します。

過半数が国宝・重要文化財のお宝展覧会

本展出品予定の青磁茶碗 銘馬蝗絆

本展出品予定の青磁茶碗 銘馬蝗絆

本展ではおよそ250の展示品のうち、約20品の国宝・約80品の重要文化財が集まりました。メディアでも何かと話題になった国宝「曜変天目茶碗」、重要文化財「黒樂茶碗 銘ムキ栗」重要文化財「青磁茶碗 銘馬蝗絆(せいじちゃわん めいばこうはん)」など茶の湯のオールスターが揃っています。

これほどの名品が揃う経緯は多くの所蔵元・所蔵者の出品協力があってのことです。
東京国立博物館所蔵は元より、九州国立博物館、奈良国立博物館、京都国立博物館の4大国立博物館からの出品。静嘉堂文庫、MOA美術館、根津美術館、藤田美術館などの様々な美術館、果ては文化庁から個人の所蔵のものまで。
「全国の美術館に行かなければ見られない、あるいは公開自体、年に1度あるかないかの名品がここ東京国立博物館へ一堂に会した」これこそが今回の展覧会の醍醐味なのです。

古田織部ゆかりの茶室を再現!

燕庵(再現)を観覧できます

燕庵(再現)を観覧できます

「茶の湯」展は原則撮影禁止ですが、唯一の撮影コーナーが利休の高弟の一人と言われた古田織部の茶室「燕庵」(えんなん)の原寸大模型です。京都・藪内家で継承された茶室は一般公開はされていませんが、本展では再現された実寸の茶室を観覧することができます。利休とは違う織部の工夫を是非会場で感じてみてください。

「茶の湯」展は茶人のための展覧会?

会場では茶道を嗜んでいるであろう方々を多く見かけ、皆さん興味深く鑑賞されていました。茶の湯の知識が少ない筆者は音声ガイドを借りず、キャプションだけを頼りに作品と向き合いましたが、内容を詳細に理解するのはとても困難でした。
本展でまず重要なのは2時間~3時間程度、作品とゆっくり向き合える時間です。ふらっと立ち寄って見れる量ではないので、時間にゆとりをもって行きましょう。目的の品を絞って鑑賞するのも良いかと思います。また、茶の湯に関して予習していくと鑑賞の手助けにもなります。
本展は展示替が多いため、目的の作品が展示されているか事前のチェックも必要です。

なお、鑑賞においては「茶の湯」展公式サイトが発行しているジュニアガイドが(こども向けの内容ですが)茶の湯の歴史や用語がわかりやすく解説されているので予習の手助けになります。

筆者は事前に雑誌「和樂」を購入しました。絵画の鑑賞をメインとする人向けの切り口がとても斬新で興味深い内容となっており、鑑賞の際も新しい視点で楽しむことができました。

「茶碗の中の宇宙」展とのコラボ

「茶の湯」展は東京国立近代美術館にて開催中の「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」展とコラボレーションをしています。

「茶の湯」・「樂」共通チケット

「茶の湯」展の当日券1,600円、「茶碗の中の宇宙」展の当日券1,400円で2展訪れると合計3,000円ですが、「茶の湯」・「樂」共通チケットは2,600円とお得なチケットが販売中です。

無料シャトルバス

展覧会チケット等の提示で「茶の湯」展開催中の東京国立博物館と「茶碗の中の宇宙」展開催中の東京国立近代美術館を結ぶ 無料シャトルバスが利用できます。

■東京国立博物館(上野)発
出発時間:10:30、11:30、13:30、14:30、15:30
■東京国立近代美術館(竹橋)発
出発時間:11:00、12:00、14:00、15:00

「茶の湯」展の公式グッズ

「茶の湯」展 特設ミュージアムショップの様子

「茶の湯」展 特設ミュージアムショップの様子

本展公式グッズの種類は豊富です。中でも筆者のおススメは茶道具がデザインされたTシャツです。着物のイメージが強い茶の湯の世界にあえてのTシャツ販売。かなり攻めてます!

主なグッズ一覧

  • 図録 2,800円
  • 落雁 1,404円
  • 飴 780円
  • 金平糖 680円
  • ポストカード 150円
  • 型ありポストカード 250円
  • Tシャツ 2,600円
  • トートバッグ 2,800円
  • ブロックメモ 450円
  • A4クリアファイル 400円
  • A5クリアファイル 360円
  • 線香 1,080円
  • iPhone ケース(6・6S・7)3,150円
会場には本展に因んだ(?)2種類のガチャガチャもありました(1回200円)。

会場には本展に因んだ(?)2種類のガチャガチャもありました(1回200円)。

筆者は図録・Tシャツ・ポストカード・懐紙を購入。ガチャガチャもやりました!

筆者は図録・Tシャツ・ポストカード・懐紙を購入。ガチャガチャもやりました!

以降この規模で「茶の湯」の名品が集まる機会は滅多に無いかと思います。
一堂に名品を味わえるチャンスをお見逃しなく!

「茶の湯」展 チケット / 基本情報

開催期間:2017年4月11日(火)~2017年6月4日(日)
開館時間:9:30-17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(ただし5月1日(月)は開館)
会場:東京国立博物館 平成館

観覧料
当日券 前売り券 団体券
一般 1,600円 1,400円 1,300円
大学生 1,200円 1,000円 900円
高校生 900円 700円 600円

茶の湯 公式サイト
http://chanoyu2017.jp/