東京国立博物館 特別展『春日大社 千年の至宝』内覧会レポート!

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2017年、東京国立博物館で最初に行われる特別展「春日大社 千年の至宝」。
一般公開は1月17日ですが一足先に内覧会へ参加いたしました。今回はその模様をレポートします。

空前絶後のォォ!超絶怒濤の内覧会ィィ!

・・ちょっと言ってみたかったとです。
美術館でいう内覧会は、一般公開前に開会式や展示の様子をプレス(報道)向けに発表するものが多く本件もその類です。ただし東京国立博物館(トーハク)は個人の賛助会制度がありまして、入会すると一般の方も参加可能です。私もその会員の一人で今回観覧と相成りました。内覧会は軽食ですがちょっとしたパーティ会場もあるんですよ。

まず開会式では高円宮妃久子様がお越しになりました。展覧会にあわせた藤の着物がお美しい。

高円宮妃久子様、テープカットの様子

高円宮妃久子様、テープカットの様子

春日大社は平安時代以降、皇室をはじめとする様々な人物が当時最高峰の技術を駆使した品々を神様に奉納してきました。
式典内で春日大社宮司の花山院広匡さんは「御新宝の中でもよりすぐりのものをかつてないそしてこれが最後かもしれない規模で上野に集めました」と胸を張っておっしゃってました。そのお言葉どおり作品ナンバーは250にも及び、展示の半数近くは国宝、または重要文化財指定がされています。

春日大社宮司の花山院広匡さん

春日大社宮司の花山院広匡さん

春日大社は平安の正倉院

春日大社は国宝が300点以上、重要文化財が900点以上を所有しており、「平安の正倉院」と呼ばれています。
奈良時代創建の春日大社は奈良県の森の中という立地もあり、京都の戦乱に巻き込まれることもなく、また南都争乱の被害もなかったため納められた宝物(ほうぶつ)は綺麗な状態で残っているそうです。神宝、甲冑、刀剣、芸能のお面や装束など種類も豊富です。特に巻物などは一部修繕もありますが、制作年代と比較すると劣化も少なく、まるで近代作品のよう。そのタイトルの通り「千年の至宝」に驚かされる展示ばかりです。

鹿と朱色と360(さんろくまる)

春日大社 千年の至宝展 唯一の撮影コーナー「灯篭」

本展唯一の撮影コーナーには灯篭が輝きます

展示室でとにかく目に飛び込んでくるのは鹿です。鹿、シカ、しか、ひとつ飛ばして鹿!さすが奈良県!と思いきや春日大社とって鹿は神の使いであり、祭られている武甕槌命(たけみかづちのみこと)が茨城の鹿島から春日へ向かう道行きに馬の変わりに鹿に乗って来たと言われ「神鹿(しんろく)」として様々な宝物(ほうぶつ)にも描かれています。
今回その鹿が描かれている作品には解説近くに鹿の絵のマーキングがされており、ウォーリーのように探し出すのも楽しみの一つです。

鹿をモチーフにした作品で一際目を引くのは「春日神鹿御正体(かすがしんろくみしょうたい)」。神道曼荼羅図として有名な春日曼荼羅が立体化したものだそうです。展示も360度見回せるようになっていて様々な角度から観覧できるのも魅力です。
展示室はところどころ春日大社カラーである朱と緑色が使われ、実際には入ることのできない社殿の再現と過去の壁画の展示がされていました。
いまふたたびここは奈良(何)そんな気分を味わえます。

最後の展示室では「春日若宮おん祭」(平安時代から続く春日大社の伝統祭)で使われている「大太鼓」が再現・展示されていました。あまりの大きさと美しさに、しばし時間を忘れてしまいました。

春日曼荼羅(かすがまんだら)とは、平安時代末期から江戸時代にかけて作成された春日大社およびそれに関連する事象を描いた神道曼荼羅図のこと。主なものとして、春日大社の神鹿を描いた「鹿曼荼羅」、春日大社の本地仏を描いた「本地曼荼羅」、春日山を背景として春日大社及び若宮とその本地仏である五尊を描いた「宮曼荼羅」、氏寺・興福寺を合わせて描いた「社寺曼荼羅」、鹿島神宮の明神(タケミカヅチ)が春日大社に影向(ようごう)した模様を描いた「鹿島立神影図」など様々な種類があり、春日大社への崇敬が奈良を中心として藤原氏以外にも広まるにつれて「垂迹神曼荼羅」「本迹曼荼羅」「地蔵曼荼羅」「浄土曼荼羅」など新たな派生が生まれた。

出展:ウィキペディア

春日大社展グッズ

至宝に囲まれた夢うつつから現実世界に戻ってくればそこは大好きなお土産コーナー。

春日大社展のお土産コーナー

春日大社展のお土産コーナーも朱色と緑が使われています

今回の春日大社展の図録は高貴な紫色です。これがまた分厚い!ページ数は350超。厚みは3cm!トートバックがついた図録セットもありますが、トートバックつきを購入しない方は持ち帰り用のしっかりしたバッグを用意しておくことをおすすめします。
そのほか春日大社展グッズはポストカード、マスキングテープ、クリアファイル、筆ペン、金平糖、ストラップ、ピンバッチなど。

今回購入のグッズ

今回の購入グッズ

主に春日権現絵巻、狛犬と獅子、螺鈿の猫とスズメ、鹿などのグッズが多めでした。
筆者は春日権現絵巻のマスキングテープを購入。

春日大社展グッズ/マスキングテープ

衝撃は春日大社展限定グッズ「ニャデンとチュン」

春日大社展限定グッズ/ニャデンとチュン

モチーフは春日大社展のみどころのひとつ国宝「金地螺鈿毛抜形太刀」の螺鈿部分の猫と雀ですね。頭は榊かと思われます。
仲間もいるようで、ポストカードの左からニャデンとチュン、シカスガさん、シシコマくんというそうです。
キャラクターの情報が全くない中で売場にたくさん並ぶニャデンとチュン。ひとつだけはっきり分かっているのは「春日大社 千年の至宝展」限定のグッズということです。今後の展開が気になります!ぜひ、春日大社展に行ったらニャデンとチュンを手にとってみてください。

今回内覧会という限られた時間(約1時間30分程度)では、ゆっくり観覧ことはできませんでした。
実際みなさんが音声ガイドを聞きながら順路に沿うと優に2時間以上はかかると思います。
ただ何度見ても飽きることのない展覧会ですので、また足を運びたいと思います!

以上、東京国立博物館 特別展「春日大社 千年の至宝」内覧会レポートでした!

特別展「春日大社 千年の至宝」

場所:東京国立博物館 平成館 特別展示室
会期:2017年1月17日(火)~2017年3月12日(日)

観覧料
当日券 前売券 団体券
一般 1,600円 1,400円 1,300円
大学生 1,200円 1,000円 900円
高校生 900円 700円 600円

特別展「春日大社 千年の至宝」特設サイト
http://kasuga2017.jp/ ※会期終了に伴いクローズ