『タイ~仏の国の輝き~』展 鑑賞レポート!混雑状況や公式グッズ、関連イベントも!

「タイ~仏の国の輝き~」展

2017年7月4日から上野の東京国立博物館で「タイ~仏の国の輝き~」展が開催されています。
日タイ修好130年を記念し、タイ王国門外不出の名宝と仏教美術の数々を一堂に集めた大規模な展覧会です。今回はタイ展の見どころ、別日に行われた内覧会とトークショーについてレポートいたします。

「タイ展」会場の様子

「タイ展」会場入口の様子

「タイ展」会場入口の様子

会場内は展示スペースがゆったり設けられているため、混雑はさほど感じませんでした。
東京への巡回前、九州国立博物館で行われた同展にも訪れましたが(会期:2017年4月11日~6月4日)同様に混雑はなく、2時間程度で全作品を鑑賞できました。

音声ガイドはタイ仏像大使のみうらじゅん氏いとうせいこう氏が担当。二人の掛け合いで作品を楽しめる内容となっています(音声ガイドレンタル料:520円)。

会場までのエスカレーターには写真家の三好和義さん撮影のタペストリーが飾られています

会場までのエスカレーターには写真家の三好和義さん撮影のタペストリーが飾られています

「タイ展」の見どころ

会場は全5章で構成されています。第1章から第3章は仏教美術の変遷からみるタイの歴史、第4章では日本とタイの国交、第5章では現在のバンコク王朝であるラタナコーシンの宝物の順に展示されています。その中から筆者おすすめの展示をご紹介します。

タイの仏教美術

国民の95%が仏教徒のタイ。人々は托鉢(たくはつ)をする僧侶に供物を捧げ、寺院に詣でる生活が日常的です。なお憲法には「国王は仏教徒である」と明示され、仏教を擁護者(侵害や危害からかばい、守る人)たるものとしています。
歴代国王も憲法に則り、仏法をもって国を治めることを理想として、多様な仏教文化が発展しました。

このように仏教が生活の中心となっているタイ。別名「微笑みの国」とも呼ばれている理由も本展、選りすぐりの仏像の表情から垣間見ることができます。

ナーガ上の仏陀坐像

会場に入り、最初に鑑賞者を出迎えるのは「ナーガ上の仏陀坐像」です。

仏陀遊行像
ナーガ上の仏陀坐像 / 出典:東京国立博物館

悟りを得た仏陀が瞑想する間、龍王ムチリンダ(蛇の神ナーガと同一視)が傘となり仏陀を雨から守ったという伝説に基づいた作品です。
唇が厚く口角を少しあげた表情はアルカイックな微笑みです。衣は薄く手は悪魔を払ったときの印とされる降魔印。蛇のとぐろの上に座り、背中には7匹の蛇が配されています。後に日本で仏像制作が行われた際、これが「光背」になったという説も。

この「ナーガ上の仏陀坐像」は360度(サンロクマル)の展示で、様々な角度から鑑賞できます。

仏陀遊行像

遊行像とは仏伝のひとつ「従三十三天降下」のワンシーンである仏陀が歩く姿を現したもので、会場では「ウォーキング・ブッダ」という愛称がついています。

仏陀遊行像
仏陀遊行像 / 出典:東京国立博物館

腰をひねり、右足のかかとを浮かせてにこやかな表情で優雅に歩く姿が表現されており、全体的にしなやかな曲線が特徴です。説話のワンシーンを切りとった表現であるとともに、仏陀の教えが世界に広がる象徴だとも言われており、こちらもタイでは多く見られるポージングです。
こちらの仏陀遊行像も360度(サンロクマル)展示で、様々な方向から隙のない美しさを鑑賞することができます。

法輪

法輪は「仏の教えの象徴」として車輪の形を成し、仏像よりも以前に崇拝の対象とされていました。日本でも仏教宝具として仏像が持っていたり、お寺の文様に描かれたりするので馴染みがあると思います。

法輪
法輪 / 出典:東京国立博物館

これら法輪はタイ中心部のドヴァーラヴァティー遺跡から数多く出土されましたが、本展の作品は、法輪を高い位置に掲げるための柱(法輪柱)と法輪と柱を繋ぐ頂板が見つかった唯一の例だそうです(この発見により法輪を高い位置に掲げ、礼拝していたことが判明しました)
この法輪は高さ130cm・幅95cm・奥行き29cmという巨大なものです。

日本とタイの国交史

日本で戦国時代の終わりを迎えた16世紀末~17世紀。浪人や商人たちは新たな市場や活躍の場を求めて新天地「南方」へ旅立ち、その土地土地で日本人町を形成しました。
シャム(現在のタイ)にも日本人町が広がり、江戸幕府との交易もありました。展示では日本とタイの国交史に関わる貴重な資料も多く展示されています。

住吉船図衝立

摂津の豪商、末吉氏が杭全神社に奉納した衝立で、シャムの地に派遣された朱印状が無事に帰国した様子が描かれています。船内には輸入品の箱や織物、巻物などが描かれており、人々は宴に興じています。タイとの交易の様子が描かれている貴重な作品です。

住吉船図衝立(購入の図録より)

住吉船図衝立(購入の図録より)

構図は船と人とのバランスが誇張されていて、見た目にも面白い作品です。

ニエロ装拵刀

交易品のひとつである「日本刀」は格式が高いものとして取り扱われました。特にタイの王権の象徴として「剣・冠・靴・杖・払子および団扇」の五種の神器が存在し、勲功をあげた臣下に神器を模したものを授けます。日本刀はその中の最上級の名誉とされていました。

しかし、江戸幕府の政策により日タイの国交が途絶え、日本刀の輸入量が減少します。そこでタイ製日本式刀剣が制作されるようになったそうです。

ニエロ装拵刀(購入の図録より)

ニエロ装拵刀(購入の図録より)

展示では金や七宝が惜しみなく装飾されている「ニエロ装拵刀」など、日本とタイの文化が融合した作品にも注目です。

ラーマ2世王作の大扉

ラーマ2世王作の大扉

ラーマ2世王作の大扉

ラーマ2世王作の大扉」は高さ580.5cm、幅139.5cm、厚さ29.5cmの大規模な作品です。
ワット・スタットの仏堂を飾っていた扉で、大きな一木をラーマ2世王が自ら掘り出したとされています。王は本扉を唯一のものとし、他に同じものを作らせないために使用した道具をすべて川に捨てさせたという逸話も残っています。

扉全体には牡丹唐草が彫られており、その合間には蛙、蛇、鹿、猪、猿、鳥など様々な動物が姿を見せます。また、彫刻は14cmの深さまで重層的に掘り込まれ、近くで見ると彫刻の茂みの中に吸い込まれそうなほど繊細な作りとなっています。
なお、本作品のみ写真撮影が許可されています。

「タイ展」関連イベント

内覧会

開会式テープカットの様子

開会式テープカットの様子(左:タナサック・パティマプラゴーン閣下 / 右:銭谷氏)

本展開催前日、東京国立博物館で行われた「内覧会」にも参加しました。
開会式にはタイ王国副首相(タナサック・パティマプラゴーン閣下)をはじめタイから多くの来賓者を迎え開催されました(みうらじゅん氏、いとうせいこう氏の姿も!)。
開会の挨拶ではタナサック閣下が「展覧会が無事開催でき、多くの人に見てもらいたい」という趣旨を自らの言葉で熱く語っていました。その後行われたテープカットで、トーハク館長(銭谷氏)とタナサック閣下が握手を交わされたのがとても微笑ましく、印象的でした。

講堂ではタイ芸術局舞踏団来日特別公演「煌めきのタイ~古典舞踏と音楽の世界」を上演!レセプションではタイカレーやタイのシンハービールなども振舞われ、とてもにぎやかな式典となりました。

タイ芸術局舞踏団来日特別公演「煌めきのタイ~古典舞踏と音楽の世界」

タイ芸術局舞踏団来日特別公演「煌めきのタイ~古典舞踏と音楽の世界」

みうらじゅんさん&いとうせいこうさんトークショー

みうらじゅんさん&いとうせいこうさんトークショー会場の様子

みうらじゅんさん&いとうせいこうさんトークショー会場の様子

7月7日にはタイ展の関連イベント「みうらじゅんさん&いとうせいこうさんトークショー」を開催。筆者も参加しました。
予定時刻を少し過ぎて両名が登壇。なぜか再びテープカットを行い(笑)スライドを用いた形式でトークショーが始まりました。

前半は実際に訪れたタイの寺院や、両名の仲睦まじい様子まで・・多くの写真を通してタイの国の魅力を紹介してくださいました。

後半は本展の見どころを余すところなく解説。
本国では決して見られない角度からの展示方法や、仏足石、法輪といった崇拝対象など、両名の絶妙な掛け合いと笑いを通じて、興味深いお話を聞くことが出来ました。

っていうかコレ、まんまスライドショーですよね?(笑)

内覧会でもテープカットをするご両名

内覧会でもテープカットをするご両名

トークショーでも紹介されたみうらじゅん氏、いとうせいこう氏によるタイ旅行の様子は、新TV見仏記(Blu-ray BOX)で見ることができます。

「タイ展」の公式グッズ

タイ仏像大使である、みうらじゅん氏&いとうせいこう氏監修のグッズをはじめ、写真家の三好和義さんが撮影したポストカードやクリアファイルなど、魅力的なグッズが販売されていました。

特設ショップの様子

特設ショップの様子

主なグッズ一覧

  • 図録 2,500円
  • ポストカード 150円
  • マスキングテープ 500円
  • ペーパーウェイト(大)2160円 (小)1300円
  • A4クリアファイル 400円
  • A4ダブルクリアファイル 550円
  • Tシャツ 3500円
  • ブロックメモ 450円
  • 時計 2270円
  • 光仏 700円
  • ばんそうこう 480円
  • 「新TV見仏記 日タイ修好130周年記念 初回生産限定Blu-ray BOX」12,400円

今回来日した展示内容はそのほとんどが門外不出です。
本国タイでも、まず行われないであろうこの機会を是非お見逃しなく!

「タイ展」チケット / 基本情報

開催期間:2017年7月4日(火)~8月27日(日)
開館時間:9:30-17:00(金曜日、土曜日は21時まで、日曜日と7月17日(月・祝)は18時まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日 (ただし、7月17日(月・祝)・8月14日(月)は開館、7月18日(火)は閉館)
会場:東京国立博物館 平成館

観覧料
当日券 前売り券 団体券
一般 1,600円 1,400円 1,300円
大学生 1,200円 1,000円 900円
高校生 900円 700円 600円

「タイ展」公式サイト
http://www.nikkei-events.jp/art/thailand/index.html